スキルアップ
2014年4月14日
ズルい世の中では視点を変えて儲ける
――水平思考のススメ【前編】
[連載] ずるさで勝る水平思考トレーニング【1】
文・木村尚義
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ロジカルシンキング(論理思考)が正解を導くためのロジックを掘り下げることから「垂直思考」と呼ばれるのに対し、正解を導く順番や過程をあまり重視しないで発想の枠を広げて考えることを「水平思考」(ラテラルシンキング)と呼ぶ。ラテラルシンキングは、「ああそういう考え方があったか!」「そんなことなら私でもできるのに…」という反応が出やすく、「ずるい考え方」ともいえるが、枠(前提)にとらわれない自由な発想ゆえに、ビジネスやプライベートで思わぬよい結果をもたらすことが多い。ここでは、『ずるさで勝る水平思考トレーニング』をはじめラテラルシンキングの著書を多数執筆している木村尚義が、これからの時代に必須となる「水平思考」について解説する!


「ずるい仕掛け」に先に気づいた人が勝つ時代


 2014年をターニングポイントにして日本は変わります。
 周りを見て気がつきませんか?
 ものの値段が、少しずつ上がっていることに...。

 物価が下がりつづける「デフレ基調」から、物価が上がる「インフレ基調」に変わってきています。
 17年ぶりの消費税アップに22年ぶりのオリンピック建設ラッシュ...。これらがインフレの引き金となっています。

 デフレの世の中では、持てる人はお金を使わずにジッと貯金していれば自然と資産が増えていきました。
 だから、デフレは会社の経営者としてはとても楽です。お金を使わないように投資を避けて、コスト削減だけをしてジッと待っていれば、会社の価値は自然と増えたのですから...。

 でも、インフレの世の中では、待てば待つほどお金の価値はドンドン目減りしてしまいます。
 物価が上がるから、お金を持っているだけではダメなのです。
 貯金を別の価値あるものに替えておかなければ、目減りしてしまうのです。

 20年もの間、骨身に染みこんでいるデフレ視点からインフレ視点へ、ものを見る角度を変えなければなりません。
 新年度を迎えた2014年4月、あなたは、今度こそチャンスをものにするか、せっかくのチャンスをみすみす見逃すか、選択をせまられているのです!

 チャンスは先に気がついた人のものです。

 例を挙げてみましょう。

新しいトレンドに難癖をつける残念な人


 見る角度を変えるには、カメラ業界を思い出すといいでしょう。
 デジタルカメラの普及に伴って、写真館にどういう変化が起きたのか。

 昔のフィルムカメラはデジカメのように何度でも消して写せるわけではありません。
 普通の35ミリカメラなら36枚撮りが限度です。撮り終われば、シャッターチャンスだとしても、フィルムを交換しなければなりません。だから素早くフィルムを交換する技術が必要なのです。
 さらに、現像しなければ撮影に成功したか失敗したかどうかもわかりません。
 フィルムカメラはまさにプロが活躍する世界だったのです。

 一方、デジカメといえば、メモリカードは何度でも繰り返し使えます。
 写したらその場で結果が見られます。
 失敗したら、その場で取り直せます。

 デジカメが安価になるにつれ、フィルムカメラは不利になるのは必然でした。

 するとどうなるか?
 いままでフィルムカメラを使っていた写真館では、「デジカメなんてオモチャだ」とか、 「プロはあんなもの使わない」などといいます。

 視点を変えられない人は、新しいトレンドに難癖をつけて古い環境にしがみつくのです。





ずるさで勝る水平思考トレーニング
木村尚義 著



【著者】木村 尚義(きむら なおよし)
株式会社創客営業研究所代表取締役。アカデミーヒルズ六本木ライブラリー個人事業研究会会長。ヒットビジネスジャーナリスト。流通経済大学卒業後、汎用機SEを経て、OA機器販売会社へ。売上げ不振パソコンショップの運営を命じられ、たった一人で秋田に赴任。ラテラルシンキング(水平思考)を駆使した逆転の発想で5倍の売上を達成。その後、外資系IT教育会社にて、これまでの経験を生かした研修・セミナーを展開し、3万人超の受講者から好評を得る。従来の発想の枠を超え、常識にとらわれないビジネススタイルを「創客営業」と名づけ、全国にて逆転の発想セミナーを実施中。費用対効果を追求しすぎて閉塞感ただよう現状を打開したい一心で執筆しベストセラーとなった『ずるい考え方――ゼロから始めるラテラルシンキング入門』(あさ出版)をはじめ、『ずるい思考術練習帳』(小学館)など著書多数。



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