スキルアップ
2014年4月15日
ズルさで勝ることで先手が打てる!
――水平思考のススメ【後編】
[連載] ずるさで勝る水平思考トレーニング【2】
文・木村尚義
  • はてなブックマークに追加

ロジカルシンキング(論理思考)が正解を導くためのロジックを掘り下げることから「垂直思考」と呼ばれるのに対し、正解を導く順番や過程をあまり重視しないで発想の枠を広げて考えることを「水平思考」(ラテラルシンキング)と呼ぶ。ラテラルシンキングは、「ああそういう考え方があったか!」「そんなことなら私でもできるのに…」という反応が出やすく、「ずるい考え方」ともいえるが、枠(前提)にとらわれない自由な発想ゆえに、ビジネスやプライベートで思わぬよい結果をもたらすことが多い。ここでは、『ずるさで勝る水平思考トレーニング』をはじめラテラルシンキングの著書を多数執筆している木村尚義が、これからの時代に必須となる「水平思考」について解説する!


違う角度からものを眺めてみよう


 「コロンブスの卵」。
 ご存じの方も多いことでしょう。

 1492年に新航路を発見したときのことです。
 コロンブスをこころよく思わない人たちから、「ただ西に行っただけじゃないか!」「あんなことなら誰でもできる」と難癖をつけられました。

 コロンブスは一同に向かって、机に盛られている卵を指していいます。
 「誰か、この卵を立てられますか?」。

 難癖をつけた人たちは、いろいろと工夫をしますが、転がるばかりで卵を立てられない。
 そこで、コロンブスは卵の底を少し砕いて立てて見ませます。

 「そんなことは誰でもできる!」といきり立つ前で、彼は平然と言ってのけました。
 「でも、あなた達は、誰一人としてできなかった」。

 もちろん、難癖をつけた人たちをくやしがらせたことは、いうまでもありません。

 水平思考とは、種明かしをすれば、そんなこと誰にでもできる...と思われてしまう考え方です。

 とはいえ、どんなに簡単だとしても、水平思考をマスターしていないと、なかなか考えつきません。
 なぜなら、違う角度からものを見る考え方は、慣れないとむずかしいからです。

 違う角度からものを見るとは、たとえば、こういうことです。
 コーヒーカップを描いてくださいというと、横や上から描く人はいます。
 でも、カップの中から外の風景を描く人は少ないでしょう。

 知ってしまえば簡単ですが、つまり、見る角度とは、こういうことなのです。
 見る角度が違うと、同じものを見ていても違う風景が見えてきます。

 未開の土地で靴を売るという話があります。
 有名な話なので、あなたも聞いたことがあるでしょう。

 ある未開の国に営業に行った2人の営業マンの話。
 Aさんは未開の地に一番乗りで到着すると、現地の人を観察して、本国に報告します。
 「ここでは誰も靴を履いていない。だめです。売上げはまったく見込めません」。

 遅れてきたBさん。同じく本国に報告します。
 「ここでは誰も靴を履いていない。見当も付かないほど売れるでしょう!」。

 Aさんの見る角度は「未開の人は靴を履かない」です。
 Bさんの見る角度は「未開の人は靴の存在を知らなかったから履かない」です。

 こうやって、例を挙げて種明かしをすれば簡単ですが、現実の社会ではAさんの行動をとりがちです。

 一方のBさんは、常識に惑わされない角度からものを見ています。

 こうやって説明すると水平思考って難しそうだな、と感じるかもしれません。
 でも、そんなことはありません。
 慣れていないだけで、コツさえ掴めばだれでも簡単にマスターできます。

 では、実際のビジネスの例を挙げて説明しましょう。





ずるさで勝る水平思考トレーニング
木村尚義 著



【著者】木村 尚義(きむら なおよし)
株式会社創客営業研究所代表取締役。アカデミーヒルズ六本木ライブラリー個人事業研究会会長。ヒットビジネスジャーナリスト。流通経済大学卒業後、汎用機SEを経て、OA機器販売会社へ。売上げ不振パソコンショップの運営を命じられ、たった一人で秋田に赴任。ラテラルシンキング(水平思考)を駆使した逆転の発想で5倍の売上を達成。その後、外資系IT教育会社にて、これまでの経験を生かした研修・セミナーを展開し、3万人超の受講者から好評を得る。従来の発想の枠を超え、常識にとらわれないビジネススタイルを「創客営業」と名づけ、全国にて逆転の発想セミナーを実施中。費用対効果を追求しすぎて閉塞感ただよう現状を打開したい一心で執筆しベストセラーとなった『ずるい考え方――ゼロから始めるラテラルシンキング入門』(あさ出版)をはじめ、『ずるい思考術練習帳』(小学館)など著書多数。



  • はてなブックマークに追加