カルチャー
2014年5月12日
夕方の「体温コントロール」で寝つきの悪さを解消!
[連載] 9割の不眠は「夕方」の習慣で治る【1】
文・白濱龍太郎
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寝つきの悪い人に朗報! 多忙でストレスを抱えがちなビジネスパーソンの現実に適した、夕方以降(終業後、帰宅後)のちょっとした習慣で入眠を誘い、翌朝スッキリ起きられる「白濱式・48の睡眠メソッド」を解説した『9割の不眠は「夕方」の習慣で治る』から、すき間時間に誰でも実践できる睡眠のマネジメントを紹介します。


良質な睡眠で仕事のパフォーマンスはグッと高まる


 たっぷり眠ったはずなのに日中に強烈な眠気を感じてしまう......。
 せっかく寝つきがよくても深夜に何度も目が覚めてしまう......。
 体は疲れているのにベッドに入ると妙に頭が冴えて眠れない......。
 毎朝起き上がるまでに1時間以上かかる......。
 このような悩みを抱えた人たちは、多いのではないでしょうか?

 厚生労働省の調査によると、約5人に1人が「何らかの不眠症状がある」と回答しています。
 また別の統計によると、不眠症人口は約2400万人、気道が塞がってきちんと呼吸ができない睡眠時無呼吸症候群は約200万人というデータもあります。

 ただ、これらは顕在化している人だけの数値です。睡眠障害が原因で倦怠感や集中力低下などが起こっている「隠れ不眠症」の人を含めれば、その数はもっと膨大になるのではないかと思われます。
 睡眠に関する悩みが本格的にクローズアップされ始めたのは1990年代から。その後、不眠症は患者増加とともに深刻化しています。

 これは24時間社会、ストレス社会といわれる現代の社会環境も関係しています。ワークスタイルや生活環境の多様化により、「日の出とともに起きて、日の入り後に自然な眠気とともに眠る」というような原始的な生活パターンは、もはや現実的ではありません。
 長時間残業が当たり前となり、約40年前と比べて1時間近くも睡眠時間が短くなっているという報告もあります。

 ただ、睡眠時間が短くなったからよくない、というだけの問題ではありません。
 睡眠は量よりも「質」です。

 同じ6~7時間の睡眠でも、細切れだったり、不規則な周期だったりすると睡眠の質は低下します。気道が閉塞した状態の呼吸障害(いびき)や、大量のアルコールを飲んだことによる昏睡状態での入眠も、翌日の倦怠感や集中力低下を招く原因となります。

 また、「睡眠は長ければ長いほどいい」ともいえません。
 眠り過ぎは体に負担がかかるほか、体内時計を狂わせるリスクがあり、かえって睡眠の質を落とすことになりかねません。

 一方で、短時間睡眠でもいくつかの習慣や心がけによって、目覚めもすっきりして入眠もスムーズな「上質な睡眠」に導くことができます。「早寝早起き」は昔から伝えられている生活習慣のすすめですが、快眠のコツはそれだけではありません。

 そこで、生活パターンの変更がきかないビジネスパーソンをはじめとして、すき間時間の活用や心がけ次第で誰にでも実践できる睡眠のマネジメントを簡単に紹介していきます。
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9割の不眠は「夕方」の習慣で治る
白濱龍太郎 著



【著者】白濱龍太郎(しらはま りゅうたろう)
睡眠専門医・RESM(リズム)新横浜睡眠呼吸メディカルケアクリニック院長。関東初の睡眠時無呼吸症候群の病院長を務め、現在は新横浜に、寝具メーカー丸綿本社内に、睡眠障害、呼吸器内科疾患専門のクリニック「RESM(リズム)新横浜」を開設。いま多くのビジネスパーソンを悩ます、睡眠時無呼吸症候群、ナルコレプシー、むずむず脚症候群、REM睡眠行動障害等の保険診療が可能な専門施設として注目される。治療にとどまらず、栄養指導や生活習慣指導を実施。自身も体調管理や健康への意識は高く、休日にはサーフィンやトライアスロンの大会に出るなどアクティブに活動。最近はワールドビジネスサテライト出演、日経新聞掲載をはじめマスコミ露出が多く、休診日には全国にて講演を行うなど、「睡眠」の分野でいま最も注目されるドクターである。著書に『病気を治したければ「睡眠」を変えなさい』(アスコム)、『9割の不眠は「夕方」の習慣で治る』(SB新書)などがある。
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