カルチャー
2014年7月3日
流す前にチェック! ウンチこそ最良の健康診断
[連載] 『腸をダマせば身体はよくなる』より【4】
辨野義己
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テレビや雑誌などで「うんち博士」として知られる、腸や便の研究の第一人者である辨野義己 先生の著書『腸をダマせば身体はよくなる』から、腸と上手に付き合っていく方法を紹介する連載。第4回目は、いいウンチ、悪いウンチの見分け方について解説します。


便秘や下痢でなければ、腸内環境はいいのか?


 現代人の腸内環境が深刻といっても、他人事のように思っている人は、意外と多いかもしれません。がん家系でないから、大腸がんにならない。長生き家系なので、腸内環境に問題はないだろう。このように変な自信を持っている人も、結構いるのではないでしょうか。

 便秘や下痢になることがほとんどない人なら、安心しきっているかもしれません。ところが、これらの人が、いいウンチを出しているとは限らないのです。腸にダマされているかもしれないのです。

 ウンチは私たちの腸内環境はもちろん、健康状態を知らせてくれる、身体からのお便りのようなものです。実際、腸内環境の良し悪しを知る一番の方法は、自分のウンチをチェックしてみることです。ウンチの色や臭い、形、量から、腸内環境を決定づける、腸内細菌の状態がわかるのです。

 そもそもいいウンチ、悪いウンチがどのようなウンチなのか、知らない人が多いのではないでしょうか。これでは自分の腸内細菌が、どうなっているのかを判断することができません。ずっと便秘や下痢でなかったら、まったくわからないままでしょう。

 つまり、悪いウンチが出ていても、腸にダマされ続けることになるのです。そして、気づいたときには大変なことに......といったことになりかねないのです。こうならないためにも、いいウンチ、悪いウンチについて、知っておく必要があります。






腸をダマせば身体はよくなる
辨野義己 著



【著者】辨野 義己(べんの よしみ)
1948年大阪府生まれ。独立行政法人 理化学研究所バイオリソースセンター微生物材料開発室長。 農学博士。DNA解析により腸内細菌を多数発見。腸内細菌と病気との関係を広く調べ、ビフィズス菌・乳酸菌の健康効果を広く訴えている。「うんち博士」としても、テレビ・雑誌等マスコミに登場。ヤクルト、協同乳業、ビオフェルミン、フジッコ、森永乳業、東亜薬品工業など7社出資で、理化学研究所内に辨野義己特別研究室を開設。著書に『大便通』(幻冬舎)、『見た目の若さは腸年齢で決まる』(PHP)、『腸をダマせば身体はよくなる』(SB新書)などがある。



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