カルチャー
2015年1月5日
青山学院大学を箱根駅伝・優勝に導いた、中野ジェームズ修一の「ストレッチ新常識」とは?
『運動前のストレッチはやめなさい』より
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「朝イチのストレッチで気分をリフレッシュ」は間違い


朝起きたばかりのカラダは冷えきっている

 朝起きてすぐにストレッチをするのも間違いです。

 起きたばかりのときは体温が低く筋肉の温度も下がっているので、筋肉が伸びにくい状態だからです。

 ヒトは体温を一定範囲内に保っておける恒温動物とはいえ、体温はずっと一定ではありません。縦軸に体温、横軸に時間を取ってみると、定規で水平に一本線を引いたように体温が一定なのではなく、一定範囲内でゆるやかな波を描きながら上下しています。こうした体温の上げ下げをコントロールしているのは、体内環境を可能な限り一定に保とうとする自律神経とホルモンです。

 大まかにいうと、夜眠っているときは体温が下がり、朝起きてから徐々に体温が上がっていきます。そして、午後遅い時間にピークを迎え、そのあとゆるやかに下がっていきます。

 朝起きたときは一日のうちでも体温が低い時間帯ですから、朝イチでストレッチをすると筋肉の負担が大きいのです(もちろん朝起きて寝床で〝伸び〟をするくらいなら、そこまで神経質にならなくても大丈夫です)。

 また、眠っている間は体温が低いうえに寝返りを打つくらいしかカラダを動かさないので、筋肉の柔軟性は低下しています。それなのに朝イチでいきなりストレッチをしてしまうと、筋肉の負担が大きくなるわけです。

 だからといって、着替えて外でウォーキングやジョギングをして、ウォーミングアップを済ませてからストレッチをするというのは面倒でしょう。

 朝イチでストレッチをするなら、お風呂で筋肉を温めるのがおすすめです。

 できればシャワーを浴びるだけでなく、温かめのお風呂につかり、カラダの心からポカポカ温まった感じがするまで時間をかけてウォーミングアップします。筋肉が温まったところでお風呂から出てストレッチをするのです。

(了)
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運動前のストレッチはやめなさい
体を痛めず硬さをほぐす 効果倍増メソッド
中野 ジェームズ 修一 著



【著者】中野 ジェームズ 修一
パーソナルトレーナー/フィットネスモチベーター。1971年生まれ。効率的、かつ継続させる独自のメソッドで、クルム伊達公子選手、福原愛選手などの数多くのトップアスリートやモデルなどから絶大な信頼を受け、3年先まで予約が埋まっている。『Tarzan』(マガジンハウス)など雑誌のエクササイズ監修は300冊を超え、全国各地での講演活動も多数行っている。アメリカスポーツ医学会ヘルスフィットネススペシャリスト/早稲田大学エクステンションセンター講師日本コアコンディショニング協会マスターA級講師など。著書に『運動前のストレッチはやめなさい』『マラソンは最小限の練習で速くなる!』『ランニングの作法』『ヒザ・腰・肩の痛みは自分で消せる!』『一流の人がやる気を高める10の方法』『体が若返る10の生活習慣』(いずれもSB新書)など。ニッポン放送『上柳昌彦 ごごばん !』、テレビ東京『ソロモン流』などに出演。
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