スキルアップ
2015年3月18日
デザイナーに求められるコミュ力とは？
文・秋葉秀樹／秋葉ちひろ
ディレクション側とデザイン側とのミスコミュニケーション
「デザイナー」というと、日本では、「絵が描ける人」と解釈をされることがよくあります。
システム会社にデザイナーが入り込むと、「デザイナー」だからということで、「画面の絵をつくる人」「デザインパーツをつくる人」という位置づけで、ひたすら指示されたものをつくるだけ、ということもあります。
実際、Web制作の会社でも、発言権を持っているのは営業の人やビジネスモデルを考える人、またはマーケティングの視点からサービスの設計を考えられる人、というところも多いのではないでしょうか。
この状況は、たしかに理にかなっています。実際にお金を生み出そうとしているのは、そういったマーケティングの視点から設計を考えて、ビジネスモデルをつくっている人たちですから（本来は、デザイナーもそれに多く貢献しているのですが、その部分は見過ごされがちです）。
しかし、その人たちに足りていないのは、デザインの知識とユーザーの行動を考えることです。理想を提示していく人たちなので、それはそれで重要なのですが、少なからず「要素を出しておけばユーザーは使ってくれるだろう」という考え方をすることが多くなります。
一方で、デザイナーといえば、そういったマーケティング視点から設計されたものを実際に形にしていく人たちです。
図●設計されたものをデザイナーがきれいにするフロー
要素とワイヤーで指示されたものを、「きれいにしていく」作業だと考えられることが多いのですが、実際はその表面を整えるだけではだめで、その中身までもきちんとユーザーに届く内容なのかというところを吟味しなければなりません。
先述の、実際にお金を生み出している営業の人やビジネスモデルを考える人、またはマーケティングの視点からサービスの設計を考えられる人たちを「ディレクション側」としましょう。そして、デザインをつくっていく人たちを「デザイン側」とします。
現実的な話におとしていいますと、ディレクション側とデザイン側で、つねにミスコミュニケーションが発生しているように思えます。
たとえば、ディレクション側が提示してきた要素やワイヤー。「こういうのにしてほしいんだ」というデザインの方向性を聞いてみると、デザイン側からすると「それは絶対に使いづらいだろう」という情報の整理の仕方...。
それを、デザイン側の人たちで「ああ言われたけど、絶対にアレ使いづらいよね」「ほんとあの人たちのセンスはわからないわ」などと言ってけなすものの、それをくつがえす努力をせず、結局はその使いづらいと思うものをつくらざるを得ない、ということも多いのではないでしょうか。
これでは、デザイナーとしても最大限の力が出せませんし、なにより「使いづらい（と自分が思う）ものを作った」ということは、デザイナーとして最大にモチベーションの下がることであり、そもそも「これ、わたしがデザインしたんだよ！」と言いたくありません。
これではあまりにも不公平だと思うかもしれませんが、その一方で、「なぜこれがこんなに使いづらいのか」というところを徹底的にディレクション側と意見交換しなかった、デザイン側の責任もあります。
株式会社ツクロア
http://tuqulore.com/
「人と機械の関係をデザインする」をコンセプトに、見た目はもとよりアプリの機能面を重視したデザインを得意とするデザイン会社。各種事業におけるモバイルサービスのデザインを行う。某国産スマートフォンにプリインストールされている基本アプリのUIデザインを多数手がけ、テレビ局とともに番組を盛り上げるためのWebサイトやアプリの企画提案・制作への参加や、某大手銀行や大手カメラメーカーの公式スマートフォンアプリデザインなど、多くの制作実績がある。
秋葉秀樹（あきば ひでき）
株式会社ツクロア 代表取締役／デザイナー、筑波大学非常勤講師。グラフィック／Webフロントエンド全般／Flash／3DCGと、幅広くデザインに携わる。おもな作品は、海遊館やサンシャイン水族館とコラボしたAndroid／iPhoneアプリ「Ikesu」。NFC技術を世界で初めて水族館に導入し、魚をスマートフォン内に持ち帰られるユーザー体験を開発・提供、集客に貢献。著作実績に『Firefox OSアプリ開発ガイド』（リックテレコム、共著）など多数。
個人ブログ：http://akibahideki.com/blog/
Facebook：https://www.facebook.com/Hidetaro7
Twitter：https://twitter.com/Hidetaro7
秋葉ちひろ（あきば ちひろ）
株式会社ツクロア デザイナー／アートディレクターWebサイトだけでなく、スマートフォンアプリから業務アプリ、ハードウェアのインターフェース設計・デザイン・動きの実装まで、デザインワークに関する全工程を統括。制作からコンサルティングまでを幅広く請け負う。デザインや実装に関する講演や執筆、寄稿などの実績も多数。技術にとらわれず体験からデザインを考えるコミュニティ「デザイナーズハック」を運営。著作実績に、『Effective Android』（インプレスジャパン）、『Firefox OSアプリ開発ガイド』（リックテレコム）、『CSS3 デザインプロフェッショナルガイド』（マイナビ、いずれも共著）などがある。
Facebook：https://www.facebook.com/toooommmmmmmmy
Twitter：https://twitter.com/tommmmy
http://tuqulore.com/
「人と機械の関係をデザインする」をコンセプトに、見た目はもとよりアプリの機能面を重視したデザインを得意とするデザイン会社。各種事業におけるモバイルサービスのデザインを行う。某国産スマートフォンにプリインストールされている基本アプリのUIデザインを多数手がけ、テレビ局とともに番組を盛り上げるためのWebサイトやアプリの企画提案・制作への参加や、某大手銀行や大手カメラメーカーの公式スマートフォンアプリデザインなど、多くの制作実績がある。
秋葉秀樹（あきば ひでき）
株式会社ツクロア 代表取締役／デザイナー、筑波大学非常勤講師。グラフィック／Webフロントエンド全般／Flash／3DCGと、幅広くデザインに携わる。おもな作品は、海遊館やサンシャイン水族館とコラボしたAndroid／iPhoneアプリ「Ikesu」。NFC技術を世界で初めて水族館に導入し、魚をスマートフォン内に持ち帰られるユーザー体験を開発・提供、集客に貢献。著作実績に『Firefox OSアプリ開発ガイド』（リックテレコム、共著）など多数。
個人ブログ：http://akibahideki.com/blog/
Facebook：https://www.facebook.com/Hidetaro7
Twitter：https://twitter.com/Hidetaro7
秋葉ちひろ（あきば ちひろ）
株式会社ツクロア デザイナー／アートディレクターWebサイトだけでなく、スマートフォンアプリから業務アプリ、ハードウェアのインターフェース設計・デザイン・動きの実装まで、デザインワークに関する全工程を統括。制作からコンサルティングまでを幅広く請け負う。デザインや実装に関する講演や執筆、寄稿などの実績も多数。技術にとらわれず体験からデザインを考えるコミュニティ「デザイナーズハック」を運営。著作実績に、『Effective Android』（インプレスジャパン）、『Firefox OSアプリ開発ガイド』（リックテレコム）、『CSS3 デザインプロフェッショナルガイド』（マイナビ、いずれも共著）などがある。
Facebook：https://www.facebook.com/toooommmmmmmmy
Twitter：https://twitter.com/tommmmy
ビジネス書新刊
『エビデンス仕事術』
光成章 監修
『グーグルが消える日』
ジョージ・ギルダー 著
『大人の伝え方ノート』
矢野 香 監修
『ハーバード・スタンフォード流 「自分で考える力」が身につく へんな問題』
狩野 みき 著
