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2015年4月16日
「上下」に分かれる試算表を知れば決算書はコワくない!
[連載] 決算書は「下」から読む、が正解!【3】
文・前川修満
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会社の経営状態の良し悪しを端的に示す「試算表」


 試算表とは、左側に資産及び費用、右側に負債、資本及び収益を対比して表示した表であって、決算書の基礎になる書類です。

図4 ※クリックすると拡大


 たとえば、図4の左側の試算表の会社は、表の左サイドでは、資産が大きく費用が小さくなっています。また、表の右サイドでは、負債が小さく収益が大きくなっています。
 これは、経営状態の好ましい会社です。

 これに対して、右側の試算表の会社は、表の左サイドでは、費用が大きく資産が小さくなっています。また、表の右サイドでは、収益が小さく負債が大きくなっています。
 これは、稼ぎが少なくて借金が多いうえに、無駄遣いばかりしている経営状態の不良な会社です。

 この試算表は、決算書の基礎になる書類ですが、ここに記された5項目の大小関係を知ることが実は重要なのです。
 これこそが、お蕎麦に例えるならば、「お蕎麦を食べる前に、そばつゆに浸して食べる」という知識なのです。

 この関係はとても重要なので、繰り返しおさらいしておきましょう。

 経営状態の良し悪しを示すシグナルを図にまとめましたので、5項目の大小関係をよく理解しておきましょう(図5)。

図5 ※クリックすると拡大


(第3回・了)








決算書は「下」から読む、が正解!
前川修満 著



【著者】前川修満(まえかわおさみつ)
1960年金沢市生まれ。公認会計士・税理士。日本証券アナリスト協会検定委員。同志社大学卒。澁谷工業、KPMG港監査法人(現、あずさ監査法人)を経て、フリーに。2006年にアスト税理士法人を設立。代表社員に就任し、現在にいたる。日本税務会計学会会員。著書に『決算書はここだけ読め!』『危ない会社は一発でわかる』(以上、講談社)などがある。近著は『決算書は「下」から読む、が正解!』(SBクリエイティブ)。
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