カルチャー
2014年7月2日
「筋トレは長続きしないんだよね...」を解決する、とっておきの方法
[連載]
50歳を過ぎても身体が10歳若返る筋トレ【2】
文・増田晶文
15分あれば効率のいい筋トレはできる
問 筋トレをする時間がない。
答 筋トレのモットーは短時間、効率よく。
コンテスト優勝を目指すボディビルダーじゃあるまいし、なにも筋トレを毎日する必要はない。
筋トレは、効きさえすれば週に2回か3回で充分。ただ、3日以上はインターバルを空けないこと。せっかくダメージから回復し、いっそう筋肉を発達させるチャンスを逃すことになる。4日も休んでしまうと、トレーニングする気がなくなってしまう。きっちり鍛えて、ほどよく休み、また身体を鍛えたくてウズウズするサイクルにハマることが肝要。
毎日トレーニングする必要がないと断言できるのは、私にこんな経験があるからだ――。
20代から30歳くらいまで、私は365日の猛トレーニングを実施していた。1回で90分、総計30セットはこなしていた。
早朝とアフター5、1日2回トレーニングしたことも。出張先でホテルより先にジムを探すという筋トレ依存症&偏執狂ぶり。われながら、病膏肓に入っておったと感慨深い。
だが、40代以降の十数年は週に2回か3回のペースに落ち着いた。仕事や飲み会、さらには麗しき婦女子との逢瀬がある場合は、迷わず筋トレよりそちらを優先している。
私の現在のメニューはこんな具合だ。
・1日目 脚、腹筋
・2日目 胸と三角筋(肩)、腕(上腕三頭筋中心)
・3日目 背中と腕(上腕二頭筋中心)
種目は脚、胸、背中といった大きな筋肉の部位でそれぞれ4種目ほど。腕や肩、腹筋は2種目くらいで、いずれも基本種目が中心。脚ならスクワットにレッグエクステンション、レッグカール、カーフレイズといったチョイスだ。しかも扱う重量は中級レベル。
ただし、私がジムに赴けば鬼面となる。
絶対にダラダラとトレーニングしない。 インターバルは極力短くしているし(1分以内)、「レストポーズ」や「ディセンディング」、「スーパーセット」といった追い込むための〝特殊技能〟を用いることも多い。
ジムではおしゃべりなんぞ交わさぬ。ひたすら、筋肉との会話にのみ集中する。そうして50分ほどでケリをつけてしまう。
で、肝心なことなのだが――私が「自分史上で最高のプロポーション!」とナルシシズム全開で叫んだのが、47歳のときだった。
「人生=筋肉」という偏狭な〝筋トレ原理主義者〟だった若かりし頃より、47歳というオッサンど真ん中の年齢のほうが、明らかにレベルアップしていた。ということは――。
結論 筋トレは回数や時間、重量じゃない。 ついでに年齢も(あまり)関係ない。
筋トレするヒマがない――こうボヤくビジネスマン諸氏は、まず自宅やオフィスで、ちょこっと15分でいいから時間を都合してほしい。
バーベルやダンベル、マシンを使うトレーニングではなく、自重トレーニング中心になるだろうが、初心者ならこれで大丈夫だ。スクワット、プッシュアップ(腕立て伏せ。胸、肩、上腕三頭筋)、プロンク(腹)......できればこんな種目で全身を鍛えてもらいたい。
大事なのは筋肉に効かせること。筋肉の収縮と伸展に意識を集中させ、何度もいうが「無理はしていないが、ちょっとキツい」の微妙なゾーンへ突入しなければいけない。
週末、土曜か日曜に筋トレタイムを設けたら、あとはウイークデーにもう1日か2日。とはいえ「火曜は筋トレの日!」と金科玉条にしないほうがいい。筋トレを義務化してしまうとプレッシャーになる。
「前回から中1日おいたし、今日は筋トレしてみるか」――こんな具合が望ましい。だけど、やる以上はタイムイズマネー、集中してこなす。
身体ができてきたら、もう筋トレなしの生活は考えられなくなる。
筋トレに終着駅はない。状況が許すなら死の前日までつづけたい。適度に鍛えれば、身体はミドル&シニア世代でも、必ず反応してくれる。これは運動生理学でも立証されていることだ。「10歳若い身体」をめざして、大いに励んでいただきたい。
(第2回・了)
【著者】増田 晶文(ますだ まさふみ)
作家。1960年生まれ。26歳から本格的にウエイトトレーニングを開始し現在進行形、雑誌「Tarzan」でも紹介される。身長170センチ、体重60キロ、体脂肪率5.9%(2014年2月22日時点)。「Number」などの雑誌でトップアスリートやトレーニングコーチたち、さらにサッカーワールドカップ、オリンピックなど国際大会を数多く取材。ボディビルダーたちを主人公にした著書『果てなき渇望』で文藝春秋Numberスポーツノンフィクション新人賞を獲得。同作品は2000年に書籍化され、「文藝春秋が選ぶスポーツノンフィクション単行本部門第1位」にも輝いた。著書に、『ジョーの夢 新島襄と徳富蘇峰、そして八重』(講談社)、『うまい日本酒はどこにある』(草思社文庫)などがある。近著は『50歳を過ぎても身体が10歳若返る筋トレ』(SB新書)。
作家。1960年生まれ。26歳から本格的にウエイトトレーニングを開始し現在進行形、雑誌「Tarzan」でも紹介される。身長170センチ、体重60キロ、体脂肪率5.9%(2014年2月22日時点)。「Number」などの雑誌でトップアスリートやトレーニングコーチたち、さらにサッカーワールドカップ、オリンピックなど国際大会を数多く取材。ボディビルダーたちを主人公にした著書『果てなき渇望』で文藝春秋Numberスポーツノンフィクション新人賞を獲得。同作品は2000年に書籍化され、「文藝春秋が選ぶスポーツノンフィクション単行本部門第1位」にも輝いた。著書に、『ジョーの夢 新島襄と徳富蘇峰、そして八重』(講談社)、『うまい日本酒はどこにある』(草思社文庫)などがある。近著は『50歳を過ぎても身体が10歳若返る筋トレ』(SB新書)。