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2014年5月22日
なぜ慰安婦像が建ってしまうのか?
[連載] 日本人はなぜ世界での存在感を失っているのか【2】
文・山田順
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日本は、長引く経済の低迷によって、世界での存在感を失ってきたが、そこにつけ込むように始まった中・韓の反日キャンペーン。いったい、私たちはどうすればいいのだろうか? グレンデールの慰安婦像、ロスのリトルトーキョーの崩壊などの現場を歩いたジャーナリスト・山田順の著書『日本人はなぜ世界での存在感を失っているのか』から、世界市場での日本製品・日本ブランドの失墜の原因と打開策を探る大好評連載の第2回目!


韓国系アメリカ人は日系人口の約2倍に達するという事実


 2002年、サッカーW杯日韓大会で、韓国のサポーターたちが「Corea」と書かれた横断幕をかざしているのを見て驚いたことがあった。その後アメリカで、ある大学生から「韓国の留学生が、『Korea のスペルは間違いで、本当はCorea。日本が韓国を支配していたときCから始まるとJapan の前に来るから無理矢理Korea に変えさせられた』と言っているけど、本当ですか?」と聞かれて、さらに驚いたことがあった。

 W杯が日韓開催と決まったとき、FIFAは大会名をアルファベット順で「Japan/Korea」としたところ、韓国は猛然と抗議。「決勝戦も日本でやる。そのうえ大会名も日本のほうが先なのは許容できない」 として、「Korea/Japan」に変えさせたという。

 アメリカに慰安婦像が建ってしまうのも、その背景には日本の衰退と反比例するように力をつけた韓国人コミュニティの力がある。

 そもそも現在では、数において日本人は韓国人に絶対勝てない。アメリカの国勢調査(2010年)では、韓国系アメリカ人は約170万人でアメリカの総人口の約0.6%に達している。それ以外に、長期滞在者や企業駐在員、不法入国者も含めれば、韓国系人口は約250万人になるとされる。これは、約120万人とされる日系人口の倍以上である。しかも、日系人口といっても、いまや3世、4世、5世の世代が主流で、日本語をまったく話さない完全なアメリカ人が多くなっている。

 アメリカの州のなかで韓国系アメリカ人が多いのは、カリフォルニア州(約45万人)、ニューヨーク州(約14万人)、ニュージャージー州(約9万4000人)、バージニア州(約7万1000人)、テキサス州(6万8000人)の順だ。

 最近、慰安婦像が建ったグレンデール市はカリフォルニア州のロサンゼルス近郊の街である。アメリカでは、このグレンデール市以外にも慰安婦像が建っている。ニューヨーク州のウェストバリー、ニュージャージー州のパリセイズバーグなどだが、いずれも韓国系人口が多いところだ。

 グレンデール市の人口は約19万人。このうち、韓国系アメリカ人はなんと1万2000人以上、市人口の1割弱を占めている。これに対して、日系人はたった100人ほどというから、どんなに反対しても彼らの数の力には勝てない。

 慰安婦像の設置をめぐっては、日系市民が市議会で反対意見を表明した。しかし、議員の投票の結果、賛成多数で設置はあっさりと決まってしまった。

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日本人はなぜ世界での存在感を失っているのか
山田順 著



【著者】山田順(やまだ じゅん)
1952年、神奈川県横浜市生まれ。立教大学文学部卒業後、1976年光文社入社。『女性自身』編集部、「カッパブックス」編集部を経て、2002年「光文社 ペーパーバックス」を創刊し編集長を務める。2010年からフリーランス。現在、ジャーナリストとして取材・執筆活動をしながら、紙書籍と電子書籍の両方のプロデュースも手掛ける。著書に、『出版大崩壊』、『資産フライト』、『脱ニッポン富国論「人材フライト」が日本を救う』(いずれも文春新書)、『本当は怖いソーシャルメディア』(小学館新書)、『新聞出版 絶望未来』(東洋経済新報社)、翻訳書に『ロシアン・ゴットファーザー』(リム出版)など。近著に、『人口が減り、教育レベルが落ち、仕事がなくなる日本』(PHP 研究所)、『税務署が隠したい増税の正体』(文春新書)、『日本人はなぜ世界での存在感を失っているのか』(SB新書)がある。