カルチャー
2015年2月9日
保険を見直す際には、「保険の空白期間」に要注意!
[連載] 保険ぎらいは本当は正しい【9】
監修・横川由理 文・長尾義弘
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保険をダブらせて「無保険」を避ける


「保険は、家の次に大きな買い物です」ということは、前にも述べましたが、そう考えると毎月の保険料を見直すことで家計も大きな節約になるのです。

 最近はそういう意味で、保険の見直しを検討される方も増えています。

 しかし、その際に注意する点があります。

 保険を見直した結果、「保険料が安くなって、必要の保障だけにすることができる!」ということで、新しく保険に入り直す場合です。
 その場合、次の保険を申し込んで、すぐに前の保険を解約してしまっては、ダメです。

 なぜなら、わずかな空白期間ができてしまう可能性があります。

 もし、この間に、不慮の事故が起こらないとも限りません。
 するとどちらの保険からも保険金が出ないことになってしまいます。ほんの数日で、本当に悔やんでしまうこともあるのです。

 こうしたことにならないように、ダブらせる必要があります。

 また、入れると思った保険でも、告知内容によっては、新しい保険会社が引き受けてくれないケースも意外と多くあります。
 その場合は、前の保険を解約していなければ、そのまま継続をすればいいだけです。

 先に解約をしてしまっていると、解約の取り消しはできません。そして次の保険にも契約できないということになると、無保険になってしまいます。

 二重に保険料を払うのはもったいないと思わないで、1ヵ月ぐらい保険をダブらせて加入したほうがいいのです。

がん保険には90日間の「待ち時間」がある


 がん保険の場合は、もっと注意が必要です。

 がん保険は、保険会社の承諾から90日の「待ち期間」があるのです。

 がん保険の場合は、「がんかもしれない」と不安になった人が、がん保険に加入する傾向が多いので、公平性のために「待ち期間」があります。

 ですので、がん保険に申し込んでも、90日以内に「がん」が見つかった場合は、契約が無効になってしまうのです。

 がん保険の見直しをする場合も、新しく入るがん保険と前のがん保険を90日以上ダブらせて加入する必要があります。

 ダブらせておかないと、その間に見つかったがんには保険が出ないことになってしまいますし、次の保険にも加入できないことになってしまいます。

 そういった事態にならないように、ぜひ注意してください。

(第9回・了)





保険ぎらいは本当は正しい
横川 由理 監修/長尾 義弘 著



【監修者】横川由理(よこかわゆり)
FPエージェンシー代表、CFP、証券アナリスト、MBA(会計&ファイナンス)。お金の知識を広めることをライフワークとして、ファイナンシャル・プランニング技能士資格取得講座、マネー講座、執筆などを中心に幅広く活動している。著書に『50歳から役に立つ「お金のマル得術」』『老後にいくら必要か?』『アベノミクスで変わる「暮らしのお金」の○と×』(以上、宝島社)など多数。監修には「別冊宝島」の年度版シリーズ『よい保険・悪い保険』などがある。
http://fp-agency.com/

【著者】長尾義弘(ながおよしひろ)
ファイナンシャルプランナー、AFP。お金のしくみ、保険のカラクリについての得する情報を発信している。徳島県生まれ。大学卒業後、出版社に勤務。いくつかの出版社の編集部を経て、1997年にNEO企画を設立。出版プロデューサーとして数々のベストセラーを生みだす。著書に『コワ~い保険の話』(宝島社)、『こんな保険には入るな!』(廣済堂出版)、『商品名で明かす今いちばん得する保険選び』(河出書房新社)などがある。
http://neo.my.coocan.jp/
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