カルチャー
2015年2月17日
睡眠難民を救う、毎日の積極的な「仮眠」
[連載] 脳が突然冴えだす「瞬間」仮眠【1】
文・坪田 聡
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睡眠難民にうってつけの「仮眠」


 睡眠専門医として長年多くの方の睡眠に関する相談を受けてきましたが、最近、増えてきた相談は次の3つです。

「忙しくて睡眠時間を削っているので、いつもボーっとしている」
「毎日6時間も眠っているのに、日中は眠くてしようがない」
「もっと仕事や遊びをしたいので、何とか少ない睡眠時間で元気に活動したい」

 このように、いろいろな人の話をお聞きするうちに、次第に強く感じるようになってきたことがあります。
 それは、「圧倒的に睡眠が足りていない人が、なんと多いのだろう!」ということです。

 大都市だけでなく地方でも、若い人から働き盛りの人まで、睡眠時間を削って仕事や勉強、遊びに没頭しています。確かに1日は24時間と決まっていますから、睡眠時間を減らすと活動できる時間が長くなります。

 ところが、十分な睡眠時間を取らないと、脳と体の働きが悪くなってパフォーマンスが落ちるだけでなく、ミスや事故が増えて結局、ムダに起きている時間が長くなるだけです。

 さらに、睡眠時間が短すぎたり睡眠の質が悪かったりすると、高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病にかかりやすくなり、さらには寿命も短くなってしまうことが明らかになっています。

 命を削ってでも成し遂げたいことがあるなら、短い睡眠時間で頑張ってもよいでしょうが、普通の人はそうではないでしょう。
 残業が続いて睡眠時間が取れないとか、何となくテレビを見たりゲームで遊んだりして時間をつぶして眠る暇がない、ということが多いのではないでしょうか。

 このような「睡眠難民」が一人でも減ってくれればいいなと思い、「仮眠」に関する連載を始めました。

「仮眠」にも目的に応じて種類がある!


 幸いなことに最近では、仮眠のための設備を整えてくれる会社が増え、さらには、業績さえ上げれば仕事中に仮眠してもかまわない、という会社も現れています。
 これを機会に、積極的な仮眠で睡眠不足を補ってみるのを心がけましょう。

 そこでこの連載では、一瞬から90分程度までの幅広い時間の仮眠について解説していきます。

 仮眠には、その時間によって大きく4種類があります。

 数秒間の仮眠である「ナノ・ナップ」は、いつでもどこでも行える「瞬間」仮眠です。 一瞬から数秒程度、瞑想するように目をつぶります。

 1分間ほどの仮眠である「マイクロ・ナップ」は、ミスが目立ち始めたら適宜、行います。今後、ビジネスパーソンの必須能力になるでしょう。

 10分間の仮眠である「ミニ・ナップ」は、疲労回復や集中力の向上に役立ちます。
会議前にお勧めです。

 仮眠の王道「パワー・ナップ」は、NASAが推奨するなど、欧米では常識となっている20分仮眠のことです。
 仕事の能率アップに欠かせません。

 次回以降、仮眠の基本である10~20分の仮眠を中心に、場所や状況、目的に応じた仮眠の取り方について説明していきます。

(第1回・了)
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脳が突然冴えだす「瞬間」仮眠
坪田 聡 著



【著者】坪田聡(つぼた さとる)
1963年福井県生まれ。医学博士。雨晴クリニック副院長。日本睡眠学会、日本コーチ協会、日本医師会、ヘルスケア・コーチング研究会に所属。過酷なストレスに晒される現代、「睡眠に関する問題をスムーズに解決し、快眠生活を送る」ための指導を行なう睡眠コーチ。医師とビジネス・コーチの顔を持ち、健康的な睡眠に役立つ情報を提供し、睡眠の質を向上するための指導や普及に努める。2006年に生涯学習開発財団認定コーチ、2007年からAll About 睡眠・快眠ガイドを担当。「ブリーズライト」のCMに出演。著書に『脳も身体も冴えわたる1分仮眠法』(すばる舎)など多数。近著は『脳が突然冴えだす「瞬間」仮眠』。