カルチャー
2015年2月23日
たった3秒の「瞬間」仮眠でも効果はある
[連載] 脳が突然冴えだす「瞬間」仮眠【3】
文・坪田 聡
  • はてなブックマークに追加

手ごわい眠気は「仮眠」でコントロールする


 あなたは、十分な睡眠が取れていますか?
 日本放送協会(NHK)の国民生活時間調査によると、過去50年間で日本人の睡眠時間は、1時間も短くなりました。仕事や家事、勉強、遊び、付き合いなどで忙しいなか、時間を作るために睡眠時間がどんどん削られてきたのです。

 しかし、睡眠時間を削ることも、限界にきています。同じ調査から睡眠時間の短縮は下げ止まりの傾向にあり、これ以上の短眠化は無理のようです。
 また、長く起きていても、そのあいだの効率が悪ければ、睡眠時間を削る意味がありません。

 たとえば、8時間睡眠の人の起きているあいだの作業効率を10とすると、これらの人の睡眠が4~6時間になったときの作業効率は、6~8に落ちてしまいます。
 これでは、短時間睡眠でいくら頑張っても、十分に睡眠が取れた状態に比べて、ムダに長い時間、起きているだけになってしまいます。

 さらに、8時間睡眠の人に比べて4~6時間睡眠の人は、早死にしやすい傾向があります。つまり、人生における活動時間の総量でも、睡眠時間が足りない人は損をしているわけです。

 では、睡眠時間をこれ以上削らずに、起きている時間の作業効率を上げるためには、どうしたらよいのでしょうか?
 それは、仮眠を積極的に取ることです。

「10分間の昼寝は、夜の睡眠1時間分に相当する」とも言われています。
 昼寝を80分すれば夜は眠らなくてもよい、というわけではありませんが、日中に仮眠を取ると頭がスッキリして、やる気や集中力、作業効率が増すのです。

 さらに、気分の落ち込みや作業ミス、事故が減ります。すると、仕事や勉強、家事など、やらなければならないことが早く終わるので、これまで以上に自分の時間が作れるようになります。

仮眠を取らない生活 ※クリックすると拡大

 本当に自分がやりたいことをたくさんできると、満足して夜はグッスリ眠れます。このようにしっかり仮眠を取れば、充実した人生が送れるようになります。
 逆に、あまり仮眠を取らない今までどおりの生活を続けていたら、次第に負のスパイラルに落ち込んでいくでしょう。

 睡眠不足で頭がボーっとしている→仕事・勉強・家事の効率が上がらない→ミスや事故が増える→やらなければならないことが、いつまでも終わらない→自分の時間がなかなか取れない→やりたいことをするために睡眠時間を削る→翌日はさらに頭の働きが鈍る

 このような負のスパイラルを断ち切るために、今すぐ必要なことは、積極的に仮眠を取ることです。「知らないうちに居眠りしていた」のではなく、「仮眠するぞ」と自分で決めて、仮眠を生活のなかに取り入れてみてください。






脳が突然冴えだす「瞬間」仮眠
坪田 聡 著



【著者】坪田聡(つぼた さとる)
1963年福井県生まれ。医学博士。雨晴クリニック副院長。日本睡眠学会、日本コーチ協会、日本医師会、ヘルスケア・コーチング研究会に所属。過酷なストレスに晒される現代、「睡眠に関する問題をスムーズに解決し、快眠生活を送る」ための指導を行なう睡眠コーチ。医師とビジネス・コーチの顔を持ち、健康的な睡眠に役立つ情報を提供し、睡眠の質を向上するための指導や普及に努める。2006年に生涯学習開発財団認定コーチ、2007年からAll About 睡眠・快眠ガイドを担当。「ブリーズライト」のCMに出演。著書に『脳も身体も冴えわたる1分仮眠法』(すばる舎)など多数。近著は『脳が突然冴えだす「瞬間」仮眠』。
  • はてなブックマークに追加