カルチャー
2015年3月2日
ひらめきやアイデアは「仮眠」から生まれる!
[連載] 脳が突然冴えだす「瞬間」仮眠【6】
文・坪田 聡
  • はてなブックマークに追加

行き詰まったら「仮眠」を取ろう


 発明王のトーマス・エジソンは、眠ることが嫌いでした。「眠るヤツはバカだ、みんな眠りすぎだ」と言って、夜は3~4時間しか眠らなかったのです。

 ところが、エジソンは仮眠キングでもありました。彼ほど上手に仮眠を取っていた人はいません。
 仮眠こそが、彼のアイデアの源泉だったのです。

 実験に行き詰まると彼は、その問題についてよく考えながら短い仮眠を取りました。すると目覚めたときに、問題を解決できるアイデアを思い浮かぶことが多かったのです。  そのアイデアをすぐに実行して、1000を超える特許を取りました。

 「なんかうさん臭い話だな」と思うかもしれませんが、この方法は「追想法」あるいは「レミニセンス」と呼ばれ、科学的な研究も行われています。
 日本人で初めてノーベル物理学賞を取られた湯川秀樹博士も、これを実行して偉大な業績を上げました。

 眠っているあいだに脳では、必要な記憶が残され、いらない記憶は捨てられます。新しい記憶が脳に保存されるときは、古い記憶とリンク付けされます。

 これは自分の意思とは関係なく行われるので、思ってもみなかった古い記憶と眠る直前に考えていたことが結び付けられることもあります。

 2つの記憶がつながると、新しいアイデアになります。これが追想法(レミニセンス)の仕組みです。
 ある程度練習すれば、多くの人が追想法を身につけることができます。

追想法(レミニセンス)を実践する


追想法で眠っている間に問題解決! ※クリックすると拡大

 まず、眠る前に今問題となっていることの枠組みや事実関係をよく考えてください。
 内容が具体的であればあるほど、成果は大きいと言われています。そしてできれば、自分なりに解決方法も考えてみてください。

 とはいえ、考えすぎると深みにはまってしまうので、軽く考える程度にしておきましょう。

 ひととおり問題についての確認ができたら、最後に「次に目が覚めたときには、問題の解決方法を思いついている」と強く念じます。

 ここで追想法を疑ってはいけません。この自己暗示が深層心理に働きかけて、眠っているあいだに問題解決のアイデアを探し出してくれるのです。

(第6回・了)
  • はてなブックマークに追加





脳が突然冴えだす「瞬間」仮眠
坪田 聡 著



【著者】坪田聡(つぼた さとる)
1963年福井県生まれ。医学博士。雨晴クリニック副院長。日本睡眠学会、日本コーチ協会、日本医師会、ヘルスケア・コーチング研究会に所属。過酷なストレスに晒される現代、「睡眠に関する問題をスムーズに解決し、快眠生活を送る」ための指導を行なう睡眠コーチ。医師とビジネス・コーチの顔を持ち、健康的な睡眠に役立つ情報を提供し、睡眠の質を向上するための指導や普及に努める。2006年に生涯学習開発財団認定コーチ、2007年からAll About 睡眠・快眠ガイドを担当。「ブリーズライト」のCMに出演。著書に『脳も身体も冴えわたる1分仮眠法』(すばる舎)など多数。近著は『脳が突然冴えだす「瞬間」仮眠』。